これは以前から気になっていた双体道祖神です。と言うか,情報が少なく,
ちょっと他とは離れた場所にあり,気になっていても訪れる機会を逸して
いたものです。案の定通り過ぎ,おかしな場所を探していました。諦めて
蟹沢集会所まで戻って,地元の人に聞こうと思いました。が,逆方向から
来れば,すんなりと分かる場所にありました。北向きの場所と言うことで,
日の当たる時間は…。2体ありました。どちらも素晴らしいものです。別
々に書こうかとも思いましたが,面倒ですから一緒に紹介させていただき
ます。

まず右側から。享保18(1736)年9月18日とはっきりと刻まれています。
なんと283歳!この地(蟹沢)がその頃には開拓されていたことになりま
す。箕郷町でも随分と高所の地=水に苦労する場所です。畑作?林業?養
蚕?といろいろ考えられますが,いずれにしても水の確保が難しい場所で
す。近くに大きなため池(鳴沢湖)もあります。残念ながら長年の風雪の
ために女神のお顔は摩耗しています。肩を抱き合い,手を携える典型的な
パターンです。それでも真っ直ぐ正面を見つめる男神の表情は,穏やかな
ものです。ならば女神の方も…。

次に左側です。これはいつ作られたのか分かりませんが,少なくとも右側
よりも相当に新しいものだと思います。部分的に彩色が見えるのは,どん
ど焼きの時にでも色を塗って上げるのでしょうか。珍しい風習です。互い
に目尻を下げ,特に女神の方は右足を軽く上げています。余程二人でいる
のが嬉しいのか,それとも仲良く踊っているのでしょうか。道祖神として
は珍しい動きのあるものです。

箕郷町蟹沢<https://www.mapion.co.jp/m2/36.394074436156615,138.93246171924687,17>

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