久し振りの上州,事前の下調べをやってきたものの,やはり現地
に入ると不安はあります。山間部のまばらな家,その多くが高齢
者の方々ばかりです。カーテンを下ろした家ばかりで,最初から
汗が出てきます。幸いなことに薪ストーブの煙を発見,ドアフォ
ンを押しても…。しばらくすると軽トラックが到着,ご主人にお
話をお聞きしました。

道祖神の場所を教えていただき,まずもって手を合わせ,ご挨拶
です。手前に半分炭状態のものを発見しました。ご主人のお話で
は,近くの老婆がどんど焼きの時に使ったものだと言います。

私,この素朴な彫り方が気に入りました。まるでお人形さんのよ
うな形,三頭身くらいしかありません。頭部が異様に大きいです。
右側に制作年が掘られています。19世紀前半ですね。今と違って
石工は山奥まで足を運んだものです。(この明賀の上にあと一つ
部落があります。)お揃いの防寒頭巾によく似た大きな鼻,あま
り表情がはっきりしませんが,細い腕そしてしっかりと手が結ば
れています。こういった純朴な(飾らない)彫り物は,山間部が
お似合いだと思います。

安中市松井田町北野牧明賀

<https://www.mapion.co.jp/m2/36.31569571071131,138.6892497346463,16/layer=mapDeka>


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