静岡県の双体道祖神の撮影は、富士宮市から始まりました。市単体
であっても、撮影したいものを網羅することは難しいです。新設道
路・道路の拡張、なかでも新東名高速道路の建設は、地域の姿を大
きく変えてしまいました。そして富士市・裾野市・御殿場市、さら
に少数ですが県西部地域と回ってきました。残すは、小山町及び伊
豆地方となりました。

この二つの地域が取り残されてきた理由は簡単です。資料がほとん
どないことです。さらに伊豆地方には双体道祖神ではなく、単体の
道祖神が中心であることもあります。 

と言うわけで、小山町を回ってきました。小山町の一部の地域では、
道祖神祭りが盛んであると聞いており、期待をもって臨んだのです
が…。ほとんどが摩耗したものばかりでした。最も時間の関係もあ
り、埋もれている素晴らしい双体道祖神があるかもしれません。ネ
ット検索しても出てきませんが。

その中で飛び切り素晴らしかったのが、これです。車の往来が激し
い道路沿いにありました。発見者は、助手です。何せ私は安全運転
に心がけていますから。素晴らしい助手とでも言っておきましょう。
台座からして気合が入っています。小山町の他のところにある双体
道祖神は、摩耗していましたが、これは違います。破風には、奇麗
な菊紋が彫られ、左の女神は繭玉を、右の男神は笏をお持ちです。
水田は狭く、収入を得るために蚕を飼っていたのでしょう。台座の
部分には何が彫られているのか分かりませんが、見事な曲線を残し
ています。素晴らしい。

<小山町菅沼:https://www.mapion.co.jp/m2/35.34922579575636,138.9752161309383,17>

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