No.33の再掲です。

花敷温泉・尻焼温泉を通り過ぎると,道は林道となります。至る所に落石注意の看
板が目に付きます。「こんなところに道祖神が置かれているのだろうか」と不安を
もったものです。別荘風の家の手前の草むらに強引に駐車です。有名なものです。
看板が立っています。曲がりくねった道(しかし草は刈ってある!)を登っていく
とお墓があります。お墓の奥の昼なお日陰な場所にあります。

前回訪問したときも感動しましたが,今回も同じような思いをしました。これは道
祖神と言うよりも立派な石像物です。これまた他に類似したものがないだけに,石
工の全身全霊をかけた仕事ではなかったかと思ってしまいます。石像物のあらゆる
角度から見てみても,美しさ・巧みさ・表現力など,最高ランクに位置するものだ
と思います。扇で肝心の部分を隠しながら男神は…。この表情が生きているように
見えてきます。女神,うつむき恥ずかしそうな表情に見えますが,裾から少しのぞ
く左手の行方は…。三角形の構図,非常に安定したものです。破風も見事な曲線を
見せ,隙のないものとなっています。このような素晴らしいものが現代に残されて
いる,しかもほぼ原型をとどめるものとして,奇跡ですね。この一体を見るために
林道を走る,それだけの価値のあるものです。さて三度目はあるか?

<六合:長平:https://www.mapion.co.jp/m2/36.657265181034,138.63293407417748,15>

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