国道から逸れ,斜面を登っていくと温泉宿が見えました。「入りたいなあ」
という気持ちをグッと我慢です。部落に入っていくとアップダウンがきつく,
しかも肝心の神社は見えません。田の水の様子を見ていた人に聞きました。
「ほれ2本目の電柱,あそこの所に右へ上がっていく細い道がある。神社に
通じる道だ。そこの右側にこの部落の道祖神が祭ってある。」とのことでし
た。残念ながら雑草は刈ってありません。朝露に靴・ズボンを濡らしながら
…。実はこの道祖神,前から気になっていました。他に例を見ないユニーク
なものです。

フランスの画家モディリアーニをご存じですか?瞳を描かず,しかも異様に
首の長いモデルを数多く描いた人です。このことが頭の中にこびりつき,い
つしか是非撮りたいものの一つとなっていました。1795年作,保存状態はい
いほうです。何より両神の優しい表情が素晴らしいと思います。しかし,こ
の双体道祖神のお披露目のとき,村人達は笑ったと思います。馬のように首
の長い人間,素人でも描きません。しかし,この石工のユニークさは認めら
れたのは20世紀になってからです。約200年間,知っているのは村人達だけ
です。

<嬬恋村・芦生田:https://www.mapion.co.jp/m2/36.53764411719971,138.563566784644,17>

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