石仏ファンにとって,昭和村の石仏と言うならば,真っ先に出てくると思われるのが,
この貝野瀬:武尊神社のものでしょう。神社の杉木立の間にひっそりと4体が置かれ
ています。今まで盗難に遭わなかったことも嬉しい限りです。(目印となるもの,例
えば神社・公民館があると助かります。)これもすんなり,と言っても道路標識に従
っていくと,狭い道でした。

4体あるうちの2体は比較的保存状態が良く(固い石に彫られている),石工の苦労
がよく分かります。破風に小さく菊の紋章が彫られています。子孫繁栄の証でもあり
ます。もちろん無病息災の意味も込められております。立派な破風です。両神ともに
ふくよかなお体,落ち着いた雰囲気を醸し出しております。質素な衣ですが,何より
衣に隠れたお二人の腕そして固く結ばれた手,このラインの膨らみが実に巧みに彫ら
れていると感心いたしました。体全体のラインも柔らかいですが,この腕・手のライ
ンも負けず劣らず柔らかいものです。

<昭和村貝野瀬武尊神社:https://www.mapion.co.jp/m2/36.652066438289225,139.08802984208898,17>

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