諏訪市の南部は,守屋山(守屋貞治の名前はここから)を始めとする山々がそび
えています。有賀峠を越え,下り坂になると左へ県道442号に入ります。県道と
言っても林道と置き換えても良いくらいの道です。路面はガタガタです。走って
も走っても景色は変わらず,山中です。下り坂に入ってしばらくすると谷間に田
畑が見えてきました。「人がいる!」と実感できる瞬間です。これが夜間であっ
たら…。ヘッドライト以外は,真っ暗な世界です。

湖南後山,現在約30軒の集落です。もちろんお店はありませんし,自動販売機は
1台のみです。本当に静かな山村です。お会いしたご婦人の話では,若い家族は
皆山を下り,子どもはいないとのことです。ですから”どんど焼き”もなくなっ
て久しいそうです。

何よりも山の恵みを大切に生きてきた人達です。道祖神にも自然からの贈り物が
彫られています。じっくりと拡大画像を見て,何が彫られているのか,ご確認く
ださい。現代で言うならば,ペアルックでしょうか,被り物を含めた衣装は,男
女の差が余り見られません。また,男女のお顔の差も大きな違いはありません。
祭はなくなっても作られたのは,文政5年(1822年)です。約200年村人達を見守
ってきた道祖神です。この回りには,庚申塔などが並べられていました。一期一
会の石仏かもしれませんが,私の大好きなものの一つです。

<諏訪市湖南後山:http://www.mapion.co.jp/m2/36.12378134857041,137.86628688303557,15>

拡大画像