これも書籍には必ず載っている双体道祖神です。が,詳細は分かりません。ただ
”深沢”という字名だけです。下調べは,もうそれだけです。それだけに探訪は
苦労を覚悟していました。農作業の人に聞いて行ってみたのですが…。仕方なく
バックするのも面倒,農道を走っているとまた農作業をしている方に出会いまし
た。お聞きすると,この道祖神の横に自宅がある!しかも道路工事のために一時
移転しているという情報です。戻ってみると,ありました!屋根の一部が欠けて
いますが,月夜野(何というロマンチックな名前か)の双体道祖神では,間違い
なくナンバーワンです。これも町の文化財に値するものです。

敢えて正面から撮りました。入母屋の屋根,その下に精緻に彫られた破風,ビッ
クリします。レンズを通して見るこの部分,ただただ唖然とするばかりでした。
こうして画像を見ていても,見付けることができてよかったと。

肝心の両神ですが,水上地方独特のものです。まずは豪華な被り物,何か風が吹
くと音が出そうな豪華なものです。お顔も農民のものではありません。見たこと
のないような都人,それも相当高貴な方のお顔を彫っています。衣装に添えられ
た曲線の伸びやかなこと!

最後に忘れてはならないのは,台座です。松竹梅の竹でしょうか,最後の最後ま
で気を緩めることなく掘り進めた石工に拍手です。それだけに屋根の一部欠けた
ことが…。

<月夜野 深沢 http://www.mapion.co.jp/m2/36.69791343579876,138.9753985211513,16>

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