これもおおよその位置しか分からないものの一つでした。字名を頼りに走った
のですが,行き過ぎました。緩やかな下り坂…新しい広い道です。…「こんな
ところにはないだろうな」と思い,車を止めました。急な旧道の坂道を登って
行くと,何やら音がします。庭先に男性がお仕事をしておられました。「この
部落の道祖神様は,どこに置かれていますか?」とお聞きすると,「おー!我
が家にある。」「?」。あまりに出来過ぎた話で,思わず「まさかあ」と思っ
ていると,庭先に小さな石が置いてあります。が,とんでもない所にコンクリ
ートで固めてあります。フェンスまで約50cm,しかもフェンスに向かっていま
す。ディジタル一眼レフ・カメラではレンズを入れることは不可能です。また,
フェンスの下は150cm以上の崖です。困りました。男性(主)が,「脚立を使
うかね?」と親切な申し出がありました。そこで車に戻って,コンデジを持参
しての撮影です。脚立を梯子にしてよじ登り,フェンスの間にコンデジを差し
込み,撮影です。年間数人の石仏愛好家が撮影に来るそうです。

相当な旧家と見えて,以前は立派なお蔵もあったそうで,掛け軸も100本以上
あったそうな。漆器の類もたくさんあり,一部が飾ってありました。古美術品
もまだまだあるような気がしました。

肝心の石仏ですが,今までこの類いのものは見てきました。何とまあ初々しい
ことでしょう。これだけ頭を垂れ,恥ずかしそうな女神は,当世いませんね。
この姿を助手に見せたかった!「君にこんな頃はなかったよな」と言ってやり
たかった。意地悪で直ぐに怒る姿,「ああこんな女神だったらなあ」と一人ブ
ツブツ。男神,これは小生の生き写しのような姿です。全身から優しさのオー
ラが出ています。石に小生を彫ったら,きっとこうなるな。

安中市・下後閑<http://www.mapion.co.jp/m2/36.356389744788785,138.80992231820957,17>

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