道祖神信仰は,様々な考え・教えが混じり合った民間信仰です。体系だった
難しさはありません。目的も,夫婦和合・五穀豊穣・疫病から村を守るなど,
様々なものがあります。また,双体道祖神に関しては,江戸時代中期から末
期にかけて作られました。一部明治・大正・昭和・平成のものもありますが,
大部分は江戸時代中期・後期に集中しています。また,場所による偏りも著
しく,大山付近・信州及びその周辺・富士山南麓~東麓・相模・上州・越後
に多数残っています。双体道祖神も一部ブームとなりましたが,今はまた静
かな時代に戻っています。

さてこの双体道祖神,一日の最後に出会ったものです。利根川を越え,伊勢
崎市の西の端です。上之宮:倭文神社にあります。事前下調べでも是非撮影
したいものの一つに挙げていました。撮影の為に注連縄をとらせていただき
ましたが,神社の凜とした雰囲気の中に置かれています。村名・願主・製作年
までもきちんと彫られています。摩耗も少なく,素晴らしいものです。

これまた体を密着させていますが,関(No.637)程まで露骨なものではありま
せん。同じような衣ゆえ,袖の中で手を取り合っているのでしょう。左右対
称な袖口です。ここでも見えるのは足2足,やはり内側を引いているのでし
ょうね。

伊勢崎市・上之宮<http://www.mapion.co.jp/m2/36.31113105291944,139.1514909073725,17>

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