江戸時代京都画壇の異色:伊藤若冲をご存じの方は多いと思います。特に21世紀
に入って若冲の人気は高くなる一方だと聞いております。絵画のことは,本サイ
トには直接は関係しませんから、割愛させていただきます。


若冲は,天明8年(1788年)京都の街を襲った大火事に遭い,京都の南:深草にあ
る石峰寺の門前に移り住んだと言われています。石峰寺は,黄檗宗の寺であり,
ここよりさらに南に下った萬福寺と同宗です。若冲は,萬福寺第20代住職:伯珣
(はくじゅん)を尊敬,死後彼を弔う為に作られたのが,石峰寺五百羅漢と言わ
れています。


訪れたのは,随分前ですが,ここに挙げるのを忘れておりました。撮影枚数は,
事情により少ないですが,五百羅漢の一部をご覧ください。なお,若冲が墨で線
を引き,石工が彫ったと言われています。


若冲の面白い所は,カラヴァッジョの静物画ではありませんが,萎れたり枯れた
りした部分まで精密に描写する鋭さがあります。若冲の描いた"鶏”をご覧になっ
た方は,納得されることでしょう。その一方では,極端なデフォルメされたもの
であったり,ほのぼのとした温かさを感ずる作品もあります。先の"鶏”のカラフ
ルさに驚かれた方も,若冲の水墨画を是非ご覧ください。


石峰寺の五百羅漢は,描写的と言うよりは,若冲の遊び心を兼ね備えたものが多く,
大変に近代的なものと言えると思います。

    石峰寺< http://www.mapion.co.jp/m/34.96143360313118_135.7778793282054_8/>

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