これは,以前No.68でご紹介したものです。この道祖神への訪問回数は,
3回目と言うことになります。ものの本には,本来この道祖神は,同じよ
うなものがもう1体あったと書かれています。その写真も残っています。
心ない者の仕業だと思いますが,大切な道祖神を失った部落の人達の思い,
忘れようとしても忘れられないものがあると思います。道祖神を訪問して
いると,コンクリートで固めたり,鉄枠に入れたり,盗難に対する防御策
をとっている所があります。その気持ちはよく分かりますが,やはり訪問
する立場から言うと,不自然なような気がします。

 茅野市には,このような丸彫り道祖神は例が少ないと思います。道祖神
の多様性では,群馬県に並ぶとも思われる長野県の道祖神です。とっても
不思議な気持ちになります。明科・池田町のものは,深く印象に残ってい
ますが,丸彫り道祖神は数が少ない割に個性的なものが多いように思いま
す。向き合い,手をさしのべ,ちょっとはにかんだ様子の女神(左)は,
初々しさを感じます。そういった女神を安心させる為に,石工は男神に包
容力あるものを求めたと思います。首のない(?)頭部の逞しさも,ひょ
っとしたらそこから来ているかも知れません。

<茅野市北山芹ケ沢:http://www.mapion.co.jp/m/36.0273802777778_138.228029166667_9/>

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