吉野の道祖神の感動が尾を引いていましたが,肉体的疲労も相当なも
のがあります。早朝よりもう8時間以上経過しています。走行距離も
300kmを越えています。麦茶も切れてしまいました。

が,こうした時に限って…。在家部落に入ると前方から日傘を差した
ご婦人が…。道祖神の場所をお聞きすると,「母の方がよく存じてお
りますから」と,急いで自宅に入って行かれました。嫁・姑そろって
出て来られました。先程はあっと言う間のことでしたが,なかなか上
品なお姿ですなあ。姑から聞かれた場所にどんどん進んで…。急いで
追いかけました。

ここも木製の祠の中に入っておりました。ご婦人の近くで,扉を開け,
なかの道祖神を外へ出しました。丸彫りです。神様は結構お歳を召さ
れているようですが,信州でよく見られる土器を見せて,男神はホク
ホク笑顔!女神はそんな男神に長年寄り添ってきたからでしょうか,
上手に合わせておられます。拡大画像をよく見てください。固い石に
実に丁寧に彫られています。確かな技をもった石工の作です。細かな
ところまで手を抜いたところがありません。衣や紐の線の美しいこと。

そんな感想をお隣のお美しいご婦人に話してみると,「こんなに美し
いものがあるなんて,全く知りませんでした。」と。どこまでも品の
ある言葉使いと仕草でした。撮影が終わり,しばらく見てから元の祠
に収め,合掌。

図々しく次の撮影ポイントまでの道順をお聞きしました。あと二つで
帰ることを伝えたところ,予定している道は狭くて危険だからと,貴
重なアドバイスをいただきました。なにやら立ち去りがたい雰囲気?

<上宝村・宮原在家:http://www.mapion.co.jp/m/36.27926649247786_137.3728328401831_9/>

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