群馬県・長野県・静岡県などと較べると,その他の地域の資料は極端
に少なくなります。最も県立図書館にこま目に通い,市町村発行の文
化財に関する書物に目を通せば,参考資料はあると思います。それで
も近年の財政悪化のために、真っ先に削られるのが,文化・教育では
ないでしょうか?

今回は,飛騨国を訪問しました。跡津川に沿った林道は,周りに耕地
もなく,文字通り林道です。落石の跡を見るたびに,ゾッとします。
それでも前に前に進みます。車のナビが,部落名を知らせてくれまし
た。右に大きく曲がる正面の岩に…。発見!あっけないものです。

写真にも見えていますが,生花が供えられています。素晴らしいこと
です。この2体の道祖神を見ると,実に対照的なものです。恐らく右
側の方が先に作られたでしょう。文政11年と言いますから,1828年で
す。拡大画像を見ていただくとお分かりになられると思います。厳し
い!お二人とも静かに合掌,村人達のために。

左側は,お二人とも両手を衣の中に入れ,最高の笑顔です。お二人と
も目の彫りが素晴らしい。明治になっての作か?恐らく石工は,右側
とは違った雰囲気の石仏を作りたかったことでしょう。衣も(寒い地
域ですから)ぶ厚いものです。

部落に入ると,人っ子一人見ることはできませんでした。恐らく高齢
者だけの部落で,静かに静かに暮らしておられると思います。そして
この石仏を忘れず,お参りをされていると。

<神岡町・跡津川:http://www.mapion.co.jp/m/36.41416970147801_137.33154483058124_7/>

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